ヒーリングタッチについて
医療の原点「手当て」
赤ちゃんは、抱っこされることで安心して泣き止みます。不安や緊張を感じたとき、わたしたちは頬に手をあてたり、手をさすったりして、こころを落ち着かせます。お腹が痛いときは、お腹を撫でます。「触れる」とは、いずれも身体に自然に備わった、本能的ともいえる行動です。古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、「触れる」行為を重視しており、手当ての効果に関するいくつかの論文も発表しました。
皮膚とは、人体で最大の臓器。触覚という知覚反応は、こころ(脳)に与える影響も非常に大きいといわれています。
ふれてもらうと、きもちいい。「ふれる」は、こころとからだの扉を開く、鍵ともいえます。
「手当て療法」や「ヒーリングタッチ」、「セラピューティックタッチ」といった、「手で触れる」をベースにした治療法は世界各国で行われており、現代においても難病や終末医療における緩和ケアとしても活用されています。アメリカでは、正規教科として「セラピューティックタッチ」をカリキュラムに含めている看護学校が多くあります。
man maruのヒーリングタッチは、中国伝統医療の「気功」や日本発祥の手当療法「レイキ」をベースにしながら、お一人おひとりのお身体とその方の存在全体にとって最大限の治癒が自然と始まってゆくように、じっくり、ゆっくりと手を当てさせていただきます。
このような症状に
・他の治療(一般的な西洋医学に基づく治療)の補完治療
・痛みの軽減(頭痛、関節痛、腰痛等)
・手術前・手術後の回復を早める
・風邪、やけど、切り傷など
・免疫力の向上
・ストレスや緊張の緩和、リラクゼーション
・アルコール、タバコ等の中毒症状の軽減
・不安や恐怖を少なくする
・自己尊厳心、自己肯定感を高める
・クリエイティビティを高める
・自分の可能性を開く
・QOL(Quality Of Life = 人生の質)の向上
「気功」とは
中国伝統医療の気功(外気功)では、施術者が患者の身体に手を触れる、もしくは、かざすという形で体内の「気血の巡り」を良くし、患部等を癒していきます。
「気」(氣)とは、古代中国の思想「道教(タオイズム)」において、宇宙の根本となる大きな器を構成している、あらゆるものの存在をつくりだす原材料のようなものと考えられてきました。中国のみならず、インドの「プラーナ」、チベットの「ルン」など、世界中で似たような「気」の思想がありますが、概して「気」とは、「人の生命活動を支える生命エネルギー」かつ「生命情報」であると考えられています。中国においては「気」の思想は発展し、後に「気の医学」と呼ばれる鍼灸(しんきゅう:ハリとお灸)、按摩(あんま)、気功などが発達していきました。根底にあった思想は、気が体内を滞りなく流れていれば人は健康でいられるというものでした。良き医師とは、良き気功師を指していたとも言われています。わたしたちの身体のへそ下には「丹田」と呼ばれる場所があり、ここは重要な気の発生中枢と考えられています。
健康や精神統一、自分自身の養生(セルフケア)、武道のトレーニングの一環としても気の流れを調える気功は非常に有効であり、気功(Qigong)実践者は現在も世界中に広がっています。姿勢と動き、呼吸、瞑想を統合しされた状態は、精神生理学的な側面からも非常にポジティブな効果が高いと考えられます。
現代の中国の医療現場でも、冠動脈疾患、糖尿病、更年期障害、不眠、腫瘍、ガン、腰痛や足の痛み等々、様々な病状に対して、気功のポジティブな治癒効果が確認されています。外科手術の場面において、気功師が気功を行いながら、西洋医学の医師が手術を行うことで麻酔なしの手術が可能になったという事例もあります。(気功の麻酔効果) 患者自身の生命力を高める動きとして、人間を全体性(ホリスティック)の観点から眺め渡す気の医学は、現代の西洋医学と兼ね合わせることで、より良き相乗効果を生み出してゆくのでしょう。
気功師は、手を患者の患部に当てる(手をかざす)ことで、患者の身体の気の巡りを大きくしていきます。気功には「同調現象」があり、気の送り手の脳波や手の温度が、受け手側へとシンクロナイズするという現象もあります。血圧、心拍にも変化が生まれます。気功とは、気功師と患者双方が、ダイナミックに気を巡らせることで双方ともに生命力を高められる、ナチュラルでパワフルな東洋の養生法と言えることができるでしょう。
(参考文献:『気が癒す』集英社文庫編集部編)
レイキとは
レイキ(霊気)とは、日本発祥の手当て療法です。自然のエネルギーを活用 して心身を癒す手当て療法の一つであり、中国発祥の気功や他種のセラピューティックタッチと近似しています。1922年に、臼井甕男(うすいみかお)氏が京都の鞍馬山で瞑想と断食を行った後にエネルギーを体得し、病気の方々への治療と講習を開始しました。関東大震災時には、被災した多くの方の治療に当たったとされています。
臼井氏が弟子に伝授したこのレイキ療法は、日本から日系アメリカ人の高田ハワヨ氏を通じてハワイへ伝わり、特にアメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアを中心に世界中に急速に発展していきました。
日本では、第二次世界大戦後GHQにより禁止され、レイキはほぼ終焉しましたが、1980年代以降に海外からの逆輸入いう形で浸透し始め、現在に至っています。
現在、イギリスなど諸外国では、医療従事者による病院でのレイキ施術が保険適用されています。西洋医学を補完し、相乗効果をもたらすという意味でも、レイキによるヒーリングが積極的に活用されています。
理学療法での「ソフトタッチ」
西洋医学に基づく解剖学や生理学を土台にした現代の理学療法やオステオパシー分野の場面では、「手をそっと当てること」はどのように捉えられ、臨床現場で活用されているでしょうか。一例として「徒手的リンパドレナージ」というテクニックを紹介します。
「徒手的リンパドレナージ」は、リンパ性浮腫(がんの手術や治療において、リンパ機能の著しい低下が起こり、腕や脚がむくんだ状態)の治療において利用されます。このテクニックでは、皮膚部分に優しくタッチをし、ほんのわずかな一定のリズムで皮膚を圧して戻す皮膚の伸張により、皮下に存在するリンパ脈管内のたんぱく質を望ましい排出方向へ促していきます。結果的にリンパ液全体の流れが促進され、浮腫が軽減していきます。この時に皮膚を押す力は、一般的な指圧やマッサージのような強い力ではなく、あくまで優しく注意深いタッチになります。
また、皮膚の表面には、知覚神経の終末と感覚受容体(触覚受容細胞、圧覚・振動の受容器等)が多く存在し、外界からの皮膚刺激が運動器へ及ぼす機能が認められています。自律神経線維もあり、アセチルコリンやアドレナリン様物質によって、各臓器の働きがコントロールされます。
皮膚にそっと触れ、必要な力・的確な力を加えることで、身体の深部感覚にも影響が及びます。こうした手法は、徒手療法の現場でも非常に重視されています。
(参考文献:『系統別・治療手技の展開』共同医書出版社)
man maru のヒーリングタッチでは、お身体の状態や必要性に応じて、上記のような様々なテクニックを用いて施術をさせていただきます。