氣の巡りを決めるもの
先日、空手の試合で手の薬指を骨折、さらに以前からの膝の半月板が損傷していた方に施術をさせていただきました。
たまたまお会いしたのが骨折の翌日でした。
元々施術予定ではなく、打ち合わせだったので、テーブル席に座ったままでの短いセッション。
手をテーブルに置いていただき、その上にこちら側の手を当てさせていただき、お手当てを。
手を触れさせていただく直前から、私の側では熱を感じ、ご本人も「全身熱くなってきた」とのこと。
非常に強い「気」をお持ちの方で、じんじんする骨折部中心に「気」が強烈に巡るのを施術側も感じます。
30分少々でしたが、ご本人は座ったまま、こっくりと眠りに落ちていらっしゃいました。
目が覚めてから、(膝にはほとんど手を触れてなかったのですが、)「膝も温かい」とのこと。
その日いただいたメッセージでは、「もう折れた骨がくっついた感じです。笑」とのこと。
(くっついてません~!ご無理せず~!)
またその3日後に、今度はベッドで本格的に施術をさせていただきました。
終始手を当てさせていただいたのは、ほとんど骨折した指と関連部位の腕のみです。
けれど、当てさせていただいた直後から、「膝も熱くなってきた。小さい妖精達が、膝に集まって治してくれてるみたい…」
とおっしゃられていました。
(その表現に、私も感動!)
痛みが引いて、楽になっていただけたのは、こちらも嬉しく有難い限りです。
不思議なことですが、気が全身に巡ると、手を当てさせている箇所はもちろんですが、触れていない場所にも「気が届く」。
からだは、気が必要としている箇所に自然と集まり、組織の修復に向けて活発に活動し始めます。
この方の場合は、私もじりじり、ビリビリと、その方ご自身の凄まじい強い気を感じて驚きました。
受ける方によって、気の巡り方、感じ方は様々です。同じ方でも、その日、その時によって変化します。
何が、気の巡りの大きさを決めるのか?
私が感じているのは、
施術側の私が日々精進し、自分の状態を整え、一人一人の方に最大限の施術をさせていただくのは当然のことなのですが、
受ける方ご自身が、こころの奥底で「治りたい」という強い意思を持っていればいるほど、
気は大きく巡るのではないか、ということです。
自分で、自分の健康に責任を持ち、
治りたい、治したい、という気持ちがあり。
そして、施術の場で起こることに、全身を委ねていただく。
そうした時に、気の送り手と受け手の相乗効果で、驚くような大きく熱い気が発せられるようです。
痛みや苦しさが長く続いたときに、
もう治らないのではないか、何をしても無駄じゃないかという、諦めや
治らない、痛い自分のままでいい
かわいそうな自分でいい、という、自己憐憫に似た気持ち
気功やヒーリングを受けても治るはずがない、など、疑いや疑念がある場合
深層意識にこうした意識がある場合、気とは「意識」なので、自然と、巡りが少なくなります。
今回のこの空手をなさっている方の場合、生き方にご自身を貫く強い哲学や信念があられ、
今回の怪我も、「怪我になって良かった。こうした人の気持ちが分かるためだった」と非常に前向きに捉えられ、
ご自身でも鍼灸を勉強され、
周りのご家族や他の方々のからだの問題を治せる自分になりたいと、日々命を削って、真剣勝負で生きていらっしゃる方です。
怪我をしながらも、骨折の翌日から包帯を巻いた手で、大工仕事をなさっているような強い精神と肉体をお持ちの方でした。
根底から、この命をかけてやりたいことをやり抜くんだという生きる意志、
そのために今ある身体を最大限生かしていくのだ、という意識が、その人のからだもつくってゆく。
その方に触れさせていただいて、そう思わせられた貴重な施術の機会でした。
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