古い智慧と、最先端の技術

最近、50代前後のピアニストの方に何度か施術をさせていただく機会がありました。

痛められていたのは足(甲、裏)で、秋のコンサートを目前にしているけれど、痛くてハイヒールが全く履けそうにない状態。

一週間に一度、手を触れたり、かざしたりさせていただいていた時、足にじんわりと温かさを感じられて、施術の最中に思いだしたことを話してくださいました。



小学校3年生か4年生くらいの時、やはり大事なピアノの発表会の直前に、何かのスポーツをしていてひどく指を痛めてしまったことがある。大変な痛みで、どうしようどうしようと思っていた時、母親がある治療家のところへ連れて行ってくれた。

そのおじいさんの先生は、痛めた指に触れて、じっとしている。そのうちに、「もう、治ったよ」と言われて、動かしてみたら、確かに、痛みがとれて、治っていた。

そして、無事に、翌日のピアノの発表会に臨むことができた。


そんな思い出を語ってくださいました。


「不思議ねぇ…」



不思議、ですね。




( photo by Pixabay)



恐らく、ほんの一昔前、今のように医療技術が発達しておらず病院が身近になかった頃、

人々の家の近所には、気功やお灸、あんま、柔道整復ができるおじさんおばさんなどが今よりも身近にいて、ちょっとした身体の不調などがあれば、そうしたところに駆け込み、整えてもらって、日常生活に戻れるようになっていたのではないでしょうか。


私の母は70になりますが、母が生まれた時代はほとんどのお産は自宅でなされていたと聞きます。出産が病院でなされるようになったのはここつい数十年の間で、それ以前はずっと、人間はお産婆さんの手を借りて出産していたのですね。いのちは、病院の管理された建物の中ではなく、自宅で生まれた。


近所に住んでいる身近な治療家たちは、恐らく非常に多くの情報をとらえうる精巧な手、視覚、観察力、洞察力をもって、目の前の患者さんのからだに必要なことをしていたのでしょう。野性的、原始的な感覚は今の私たちよりももっともっと研ぎ澄まされ、深くまで見通すことができ、そしてからだの均衡を取り戻したり、骨を元の位置に戻す、きっとそうしたことが可能だったのだと思います。


そうした古代の人々の智慧と、日進月歩の科学技術との融合がなされてゆく時代にこれから入ってゆく気がしています。

技術の進歩は目覚ましく、ロボット手術やiPS細胞による臓器の再生、人体に副作用の少ない薬の開発――などなど、アップデートされる医療技術のニュースには目を白黒させるばかりで、追いつくこともままなりません。


今年の春には、3Dプリンタによりウサギのサイズの心臓を作ることに成功したそうです。




技術は進歩し、それにより今ある病気も減ってゆくのだろうと思います。

けれど、それによって痛みや辛さも即座に消えるかといえばきっとそうではなく、

そうした医療が全ての人に提供されるようになるまでにはきっと時間がかかり、そしてまた、

そうした医療技術が発達することによる何らかの弊害も免れないのだろうと思います。

「死ねない」ことで生まれてくる新たな苦しみ、介護の問題など。



ヒーリングタッチ、手当療法は、非常にシンプルでパワフルです。古今東西、世界中で使われてきた手法であるということは、それだけ人類、生物に普遍的な方法なのだろうと思います。


ヒーリングタッチで何が起こっているのか、科学的にまだ明らかにされていないことも多いです。

なぜ、施術を受ける側が(施術者側も)、温かくなったり、ピリピリしたりするのか?


電子の電位変化を起こす、と言われています。「電気が通ったみたい」と施術中に言われることがありますが、実際にヒーリングタッチによって、神経インパルス(情報をニューロンに沿って伝える電気信号)のはたらきに変化が生まれます。


イギリスやアメリカの病院では、医療技術者によるレイキの施術が行われています。



これからますます、ヒーリングタッチといったエネルギー療法の科学的な効果の研究が進み、

同時に発展した西洋医学と融合され、より統合的な治療が進められていくことと思います。


レイキはそのまま日本語で「霊氣」と書き、日本発祥なのですが、多くの日本人の方は知らないですよね。(私も数年前まで知りませんでした。)


昨今、心理学やビジネスの世界では「マインドフルネス」や「瞑想」が盛んになり、書籍も増えてきたように思います。けれど、ほんの10年前、15年前は、それらはここまで日本社会に認知されていなかったのではないかな、と感じています。瞑想、というと、怪しい、という印象を持たれやすかったのではないでしょうか。

元々は日本には禅の文化があり、アジア・日本ベースの思想・鍛錬法だったかと思いますが、それが現代の日本にまた広がってきたのは、アップル社創設のスティーブ・ジョブズが禅をしていたなど、著名な西洋人がマインドフルネスを実践していたという話や、西洋の科学研究者たちがこぞってチベット仏教僧の瞑想状態の脳波研究などをするようになったことが、背景にあったと思われます。マインドフルネスや瞑想は、西洋から日本に逆輸入され、一般的にも認知されるようになりました。


レイキやヒーリングタッチも、そうした未来になるかなと予測しています。


古代の智慧が、最先端の科学と結びついて未来を生み出してゆく、

そう考えるととてもエキサイティングです。


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